スポンサーサイト
2015.02.23 Monday

一定期間更新がないため広告を表示しています

| スポンサードリンク | - | - | - | pookmark |
約束の地
2015.02.10 Tuesday 18:34




―――また会おう、約束の大地で―――



あれは誰の声だろう…?

オイラは知ってる…この声を。

いつか昔に聞いた声。

優しく暖かな、歌うような奏でるような声は、

オイラの胸と、その場所に優しく響いて溶けたんだ――。


むき出しの岩岩が半分クリスタルの結晶と化し、木々は枯れ、湖は死に…

恐ろしいモンスターが其処此処に蠢く、美しかったはずの場所。

いつか蘇り、再びエオルゼアの神々に愛される、緑と清水豊かな地になるだろう。

そう願い、信じた場所。


オイラはその場所を、そしてこの声を、確かに知っている。

死した湖の中央で、その死した地をただ静かに見守る、黙約の塔と共に――



「あれに見える黙約の塔に突入する前に、しばしの間、お時間をいただき、少しばかりの詩を吟じてもよろしゅうございますか?」

優しく空気に溶ける問いかけに、オイラはしっかりと一つ頷いた。

ああ、この声は

―――いつか聴いた声。




― あの日。

  ブリトルバークから出陣した我々を迎え撃ったのは帝国兵だった。
  夥しい数。空からも陸からも。
  赤い髪のララフェルは先陣を切って敵兵をねじ伏せてゆく。
  皆遅れを取るまいと、彼の周りを囲むように飛び出した。
  そう。
  敵が帝国兵のみであったならば、カルテノーでの戦いは勝利していたやもしれぬ。
  それほどまでに、冒険者の結束は固く、士気も高かったのだ。
  だが。
  空を覆わんとするダラガブが、我々の眼前、ついに割れた。
  絶望の翼。強大な咆哮。紅蓮の炎が終末の世界を覆う。
  弓を取り落とし、絶望と驚愕に膝をついた私は最後に見た。
  炎が我々を包む刹那、赤い髪のララフェルがその先頭に飛び込んで炎を受け止めたのを。
  私は何かを叫んだのだろうか。それとも恐怖に打ちのめされ泣いていたのだろうか。
  炎が、そして青い光が我々を包んだのだ。
  軍師ルイゾワの放った魔法は赤い髪のララフェルには届かなかった。
  彼の身体はバハムートの炎に消えた。
  しかし、彼の魂はそのまま星へとは還らなかった。
  大いなるハイデリンは彼に新しい肉体を与え、
  人を導いたその魂を再び地上へと蘇らせた。

  さて。それにしてもだ。
  各地のキャンプはあの霊災で消滅したというのに、なぜ黙約の塔は同じ姿で立ち続けているのだろう。
  護ったのは幻龍か。
  彼の霊災でも目覚めなかったはずの幻龍がなぜ今、同族を呼ぶ咆哮を上げたのだろう。

  謎は目の前にある。
  対峙するがよい。光の戦士達よ。かつて赤い髪を宿したララフェルよ。
  あの頃と同じ友が、再び共に相まみえ、運命を共にしようとしている。
  散り散りになり、それでも闇の中、必死にお互いを探して。
  いつか再び会おうと言った、その言葉の幽かな希望を信じて。
  今ようやく。この約束の大地に戻って来た。

  さあ行こう。真実もきっと、そこにある。―





ゆっくりと目を開けた。

嘗て瞳孔の見えないガラス玉のようなデューンフォークの眸だったこの双眸は、

妖霧の中にあの頃と変わらずこの地を見下ろす、黙約の塔を写した。

目の前で詩を紡いだ吟遊詩人は、一つ深々と頭を下げる。

隣に立つ二人もまた、オイラに力強く頷いた。

そうだ。

この三人は、大切なオイラの仲間。

大切な戦友。

オイラたちは、あの第七の霊災を超えて還ってきた。

この、約束の地に。



さあ、行こう。

再び巡り会えた大切な戦友たちと共に、

いざ、黙約の塔へ―――。


続きを読む >>
| 珍獣 | 日記 | comments(2) | trackbacks(0) | pookmark |
←back 2/3 pages next→
Search
Profile
Recommend
Recommend
Recommend
Category
Archive
Latest Entry
Recent Comment
Links
Admin
Calendar
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930 
<< June 2017 >>
Sponsored links
Mobile
qrcode
無料ブログ作成サービス JUGEM