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Brume de chaleur「失われた秘薬」その4−月夜の花後編
2012.03.05 Monday 21:07
翌朝、霧髭入江から戻った後、宿でゆっくり休んだクレアは錬金術師ギルドに向かった。依頼元であるフロンデール薬学院の運営しているギルドではあるが、薬学の本に詳しいところといったらそこ以外にないだろうと思ったからである。

「おはよう、ジェミミちゃん。」
「ちゃん付けで呼ばないで、クレア。何の用よ。」



錬金術師ギルドで売り子をしているジェミミと冒険者が知り合いなのは別段珍しいわけではないが、クレアがジェミミと知り合ったのは実はアマジナ鉱山社が運営する酒場においてであった。いつまでも売り子ばかりしていてなかなか研究職に戻れないと管を巻いていたジェミミの愚痴を聞いてあげたのがきっかけだったそうな。
「あなた、薬学の本に詳しかったわよね?」
「愚問ね、薬学院主席だった私にそんなこと聞くなんて。」
「ふーん、じゃあこれわかるかしら?」といってメモを渡そうとするクレア。
「私はいま忙しいのよ!それにそれって例の依頼に関してのものよね?知ってるわよ、あなたで4回目だって。最近の冒険者も落ちぶれたものよね。1回で依頼を完遂できないんだから。」
「ふーん、主席のジェミミでもわからないっと・・・。」
「ちょっとまちなさい!そんなの見ればすぐにわかるわ!」
「そんなこといって〜。本当は自信ないんでしょ?ふふふ。いいわ、他をあたってみるから。」
「ちょっと貸しなさい!」
クレアの挑発に見事に乗って、ジェミミがクレアからメモを奪って、それを一瞥する。
「これは・・・マッドベルね。フロンデール薬学の教本第三巻にのってる一文よ。なんでも昔の人がマッドベルについて詠んだ歌らしいわ。」
「マッドベル?」
「ベルフラワーの一種ね。薬草としての効果もあるけど、使い方次第では猛毒にもなるわ。」
「なるほど。で、それってどこにあるの?」
「現在のエオルゼアで採れるところっていったらクルザスあたりかしら。正確な場所は私もよくしらないわ。クルザスのアウルネストにアルスランっていうエレゼンの医者がいるから、その人だったらもっと詳しいことをしってるかも。」
「へぇ、さすがね、ジェミミ、詳しいじゃない。ありがとう。今度何か甘いものでもおごるわね。」
クレアはにっこりと微笑みながら、ジェミミに感謝を述べる。
「ふん、期待しないでまってるわ。」
そんなクレアにしてやられた感があるのかジェミミは仏頂面でそんなことを言って売り子の仕事に戻っていった。


ジェミミからもらった情報を元にクルザスのアウルネストくんだりまでやってきたクレアは早速、アルスランというエレゼンの医者にマッドベルの場所を聞いてみる。
「ふむ、確かにその青い粉がこのメモの通りの場所から取れるのなら、それはマッドベルだね。ただ。いくつか厄介な問題があるんだよ。」



「厄介な問題?」
「いやね、この詩には続きがあって、「澄み渡る闇に月光の雫零れしとき、彼女は蘇り、空色の笑顔を汝に向けるであろう。」の後にこう続くんだ。「その笑顔に満たされし者には永遠の安らぎが訪れん。」つまりだ、この花は月の光があたる夜にだけ咲く、それだけなら問題はないんだけど、咲いたと同時に花の防衛手段なのか人に有害な毒素がばら撒かれるんだ。おまけにその毒素は催眠効果のある甘い香りだと聞く、この花は群生して咲く性格があるから効果もかなり強い、一度その香りを嗅いだらもうもどっては来れない。これがまさにその花がマッドベルと言われる所以さ。さらに、この花の香りはドレイクが好むもののようで、大抵はまわりに集まってくる。」
「でも取引にも使われているくらいだもの。なにか採取する手段があるのよね?」
「・・・君はどうしてその花が必要なのかな?」
「病に苦しんでるアラミゴの民が万能薬を探してる。その材料がこのマッドベルかもしれないって話。私は依頼を受けてその材料の一つを手に入れることを任されてるわけ。」
「なるほど、病に苦しんでる人たちのためにと。そういうことだったら、私も医者の端くれ、協力させてもらおう。このマスクをつかうといい。このマスクには魔術が施されていて、花に近づく前に「パージ」と唱えると、約10分から15分毒からその身を守ってくれる。息をしても毒は吸い込まなくてすむようになる。」
「わかったわ。ありがとう。それにしても、今夜は月が出るかしら?」
「予報では、快晴になる見込みだけど、山の天気だからね、こればっかりは幸運を山の神オシュオンに祈るしかないかもしれないね。」


夜になり、クレアは目的地に向かった。アルスランから教わった場所はドラゴンヘッドとその先にある紅炎台とのちょうど中間地点に位置していた。彼の話によるとその場所が最も危険が少ない場所らしい。
「ふぅ。危険が少ないっていってもやっぱりドレイクはいるようね。」目的の場所近くまで辿り着いたクレアはそうひとりごちる。

彼女がいる場所からそう遠くないところに赤い鱗に身を包んだ巨大なトカゲのようなものが数匹ゆったりと動いているのが見える。アッシュドレイクである。彼らは獰猛な性格をしており、おそらくクレアの存在を感知したらすぐさま襲ってくるだろう。だがとりあえず、月が出ているようで助かった。天気が悪くならないうちにさっさと目的のものを手に入れなければ。そう考えてクレアはアルスランからもらったマスクを着用しゆっくりと青い花が密集する場所へと近づいてゆく。そして、ちょうどその手前まで来たところで「パージ」とアルスランから教わった呪文を唱える。するとなんだか彼女の包む周囲の空気が変わったように感じられた。



青い花畑にさらに近づくとなにやら紫の粉があたりを舞っている。おそらくあれがアルスランの言っていた青い花が出す毒素という奴だろう。クレアが恐る恐る近づくとその紫の粉は彼女を避けるように広がった。どうやらマスクの効果はしっかり発揮されているようだ。自信をつけたクレアはゆっくりと慎重に一つ一つの花を茎ごと摘み取っていく。そして用意していた大筒の瓶に可能な限りのマッドベルを入れるとしっかりと蓋をしてバッグの中に戻した。

「さて、後は帰るだけね。」
そういってほっとしたのもつかの間。何か腹のそこから唸るような声が少し離れた場所でする。振り向いてみると一匹のアッシュドレイクがクレアを睨みつけていた。
「・・・まぁ、そうは容易くいく訳もないか。」
そう言いながら、襲い掛かってくるドレイクの爪を間一髪でかわすクレア。すぐさま剣を抜刀し臨戦態勢にはいる。ドレイクの爪や口から出される炎をすばやい身のこなしと盾をつかってうまく回避し、後退していくクレア。



「よし、このあたりで・・・。」
程よい場所まで後退したクレアは、ドレイクが攻撃をしたあとの隙を突いて改心の一撃を加えた。そして、そのショックで敵がひるんでいる隙に、その場を駆け足で立ち去った。
「追ってこないわね・・・アルスランの行ってたことは正しかったみたいね。」
アルスランいわく、「ドレイクには縄張り意識があるから、うまく彼らの縄張りから出ることができれば、襲われないよ。」ということだそうである。

「ま、縄張りから出るまでにやられちゃったら意味ないけど。ふぅ、とりあえず目的のものは手に入れたし。リトルアラミゴのカットリオナに会いに行かなきゃね。」


「こんにちは。」
開いた鉄柵をくぐってリトルアラミゴがあるメサの中に入ったクレアはその奥に立っているややぽっちゃりとした中年の女性に話しかけた。



「はい、こんにちは」
「あなたがカットリオナ?例の万能薬の材料らしきものを持ってきたのだけど。」
「クレア・ブルーさんですね。お待ちしておりました。」
「じゃ、これね。確かに渡したわよ。」
名前の確認が取れるとクレアはおもむろに手に入れたマッドベルが入った瓶をカットリオナに渡す。
「おぉ、これはマッドベルですか。これはまた希少なものを手に入れてきましたね。」
「知ってるの?」
「薬学を志すものの中では有名ですよ。しかし、さて、これが秘薬の材料になりますかどうか・・・。とりあえず調合してみましょう。」
さっそく錬金術の道具を取り出すとカットリオナは薬の作成に取り掛かった。クリスタルを使った合成技術のおかげで大した時間もかからずに調合したものが形を成していく。程なくしてできたものをカットリオナがすこし口に含んで思案顔になる。
「いい薬ですね。滋養、強壮にとても良い効果が得られるでしょう。しかし、秘薬の材料ではなかったようです。」
「そう。」
クレアも差し出されたものを口に含んでみる。その途端に甘い香りが口の中にぱ〜っと広がった。
「味は悪くないわね。」
苦笑いを浮かべながら、彼女はそんなことを口にする。
「でも、失敗か。残念ね。あらかた、次の冒険者に依頼する手筈はもう整っているのでしょう?」
「はい。ですが、今回できた薬も大きな発見でした。秘薬の材料とマッドベルの花でこのような薬ができるとは。なかなかの成果だったと言えると思います。」
「そ。ありがとう。ちなみに次の手がかりは見つかってるの?」
「はい。古文書を解読した結果。次の手がかりはヒカリだそうです。」
「ふーん。願わくば、次の冒険者さんが正解に辿り着けるといいわね。それじゃ」
自分の仕事は終わったとばかりに去ろうとするクレアだったが、そこでカットリオナに引き止められる。
「お待ちください。確かに今回の依頼は失敗に終わりましたが、お持ちしていただいた材料とできた薬は、アラミゴの民にとって助けとなるものです。ですので、成功報酬には及びませんが、これを。」
そして、何かを渡してくるカットリオナ。それを見てクレアは目を瞠った。
「これは・・・アクアマリン。」
「宝石としてはさほど高価なものではありませんが、私たちの気持ちとして受け取ってください。」
「ふふふ、なかなか話せるじゃない。そういうことならありがたくもらっておくわ。」
そう返してクレアは意気揚々とリトルアラミゴを後にした。そういえば自分が子供の頃、初めて父からもらった贈り物がアクアマリンのペンダントだったなと思い出す。空を見上げると、そこにはぷかぷかと浮かぶ雲の隙間からどこまでも続くブルーが広がっていた、そんな吸い込まれるような空の下をクレアは歩いていく、次なる冒険に期待に胸をふくらませながら。



失われた秘薬―その4―月夜の花−END





というわけで次のヒントはヒカリということでお願いします^^
よって、クラキバショ、アオキモノ、ヨリアツマリテ、ドク、ヒカリとなりますね。
書き手はChinju Daichiさんでヾ(*ΦωΦ)ノ 
ちなみに今回のベルフラワーというのは桔梗のことですが物語の中の設定は脚色しているので悪しからずw
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